第六章 フランス革命、産業革命を経て

(一)フランス革命産業革命を経た世界

一八世紀から一九世紀にかけてフランス革命産業革命を経て世界の状勢は大きく変化していく。一八世紀になるとオスマン帝国の権勢ははっきり陰りを見せ始めた。一七八九年、フランス革命が勃発する。絶対王政が倒され自由主義の政府が誕生していく。「人権宣言」が採択され、ユダヤ人にも市民権が与えられるなど生活にも大きな変化をもたらす。ナポレオンの唱える国民国家の波は大きく広がっていった。一七九八年にナポレオンがエジプトを占領すると、オスマン帝国の衰退は更に明らかになっていった。

フランス革命以降、ヨーロッパの国々においてユダヤ解放令は信仰の自由とともに、ユダヤ人にも平等の市民権が認められ、職業の選択の自由は大銀行家ナタニエル・ロスチャイルド卿をはじめ金融、銀行業で大成功するなど者も出てくる。しかし、そうした中に、新たな形での反ユダヤ主義、「ユダヤ人」を差別・排斥しようとする考えも生まれていく。

 

(二)スエズ運河の開通

一八六九年、フランスの技師レセップスの指導のもとにスエズ運河が開通し、一八七五年にイギリスがスエズ運河会社の支配権を握っていく。スエズ運河の開通は世界貿易に劇的な効果をもたらし、その後の世界情勢の変革に大きく影響を与えていく。